新聞広告・チラシのレスポンス検証では見えない
消費者の受ける印象や感情を見える化

株式会社ディノス・セシール

マーケティング本部 販売推進ユニット エキスパート
菊池 寛之さま

マーケティング本部 販売推進ユニット
野嶋 真帆さま

Interview

インタビューInterview

「ディノス」といえば、カタログやWeb、テレビを通じて、ファッションからインテリア、食など、暮らしを豊かにする衣食住の様々なモノ・コトを販売している。時代とともに移り変わる消費者のニーズを捉えながら、読みやすく、かつ買いたくなるようなクリエイティブを手がけることは揺るぎない命題の1つだ。

日本中でその名を知らない人がいないほどの有名通販ブランドにふさわしく、チラシや新聞広告のレスポンス検証は行っていたものの、クリエイティブそのものに対する消費者の反応を検証する機会はこれまでになかったという。

しかし、今後チラシや新聞、Webやテレビと異なる媒体であっても共通して効果的なクリエイティブを作り出していくためには、レスポンスだけではない消費者の生の声が必要ではないかとADTestを導入することに。実際使ってみての感想や今後の活用法、期待できる効果について話を聞いた。

導入前の課題Problem

レスポンスでは見えない
広告の印象・生の声を
広告制作に反映したい

ー ADTestを導入した経緯を教えてください

野嶋:ディノスは、カタログやテレビのほか、折込チラシや新聞広告を掲出し、日々皆さんの目に触れるよう動いています。
中でも私は新規顧客の獲得担当なので、まだディノスをご利用いただいていないお客様に届く広告を制作することが最も大きな命題といえます。

これまでもチラシや新聞広告に品番を入れるなどして、電話注文の際にご覧になった媒体の番号を聞き、レスポンスの検証はしており、ABテストも行ってきました。しかし、逆に言えば、作った広告に対しての反応はレスポンスでしか計れなかったですね。

制作する段階で迷った場合は、社内の他部署の人間など、まっさらに近い感覚で見てもらって感想を聞いたりはしていました。
でも、もっと一般の消費者の近い方々からの生の意見が聞きたいと思ってADTestを導入することにしました。

ー チラシや新聞広告を展開する際、必ずABテストなどをされるのですか?

野嶋:いえ、毎回ではありません。
多くの商品を扱っているので、1つの商品に対してABテストを行うことは少なく、“プロ仕様頑丈ハンガーラック”は新聞広告で獲得効率が良い商材だったため、折込チラシでも商品展開を拡大していきたいという思いがあり、その精度を上げるためにもレスポンス測定をABテストで行いました。

1回目はレスポンスの差がかなりあったのでそれだけで判断できたのですが、2回目はあまりABの差が出なかったのです。
その理由は、クリエイティブそのものの差だけではなく、挟みこんだエリアの関係もあったのかもしれませんが、3回目以降をどうするか、判断しかねていました。本当はレスポンス以外のところでも差があるはずで、そこを振り返って見極めてみることも必要ではないかという話になったんです。

導入による解決Solution

自分たちの仮説とは違う結果が見え、
掲載要素や構成など骨組みから
見直すことができた

ー テストの結果をご覧になっての印象は?

野嶋:Good/Badテストの結果は、期待以上の効果を感じました。というのもレスポンスだけではわからない部分で反応が見えてきたからです。

具体的に言えば、例えばあるクリエイティブのメインコピーに関しては、反応する人が多いけれど、ネガティブイメージを持つ人も多いことがわかったり、情報を細やかに入れ過ぎたあまり、ごちゃごちゃして読みにくいという印象を持つ人が多かったり、良かれと思ってやった要素がそれほど重要視されていなかったことに気づかされました。

ー 予想と違う反応はありましたか?

野嶋:一例ですが、これまで私たちは作り手の思いや商品の背景にあるストーリーが大事と考え、開発者のコメントを入れていました。しかし、そこがほぼ注目されていなかったことがADTestでわかったので、現在制作中の広告ではその部分をカットしました。

同様に口コミの機能を持たせるためにお客様の声を入れていましたが、こちらも文字が多く読みづらい要因に。もう少しスリム化して必要最低限に絞ろうと今改善を進めています。逆に商品購入を誘導する部分は目立つようにしていたことが功を奏し、高い評価を得ていたので安心しました。

例えば、訴えたい要素をメインコピーに込めて、大きく配置していましたが、きちんとそこに注目が集まっていることもわかりました。
一般消費者がどこをどう見て何を感じているか、それが見える化されるという点が、ADTestの魅力だと思います。

ー 社内での提案等にも役立てましたか?

野嶋:はい、社内も結果をうまく活用しようという前向きな雰囲気でした。
制作するにあたり、「入れた方がいいと思うけど、本当に効果があるかわからない」という場合の判断・説得材料になったように感じています。

また以前から文字が少し多すぎるかもという意見は出ていましたが、今回のテストで「やはり多い」という結論に達し、文字情報を最低限度まですっきりさせた案でやってみようということになりました。こうした方向性が明確になったのもADTestのおかげだといえるでしょう。

メインコピーとかデザイントーンでABを比べるのではなく、掲載する要素の質と濃縮度合、見やすさなど構成そのものの方向性を見出すことができました。

今後の展望Future Outlook

大規模に展開するクリエイティブを
世に出る前にテストして、
より効果が出るものにしたい

ー 今後の展望があればお聞かせください。

野嶋:まずは弊社の広告をともに制作してくれている広告会社に共有しながら改善を進めていくことです。すでに今回のADTestの結果をベースにして、私たちにとって必要な情報をさらに深堀して分析を進めてみたのです。

菊池:例えば、ヒートマップで特にコメントが多い部分に注目をして、いい評価と悪い評価に分け、さらに年代別にも分析をして、今後どうすべきかを探ります。

結果、ビジュアルについてはコメントをたくさんいただいたけれど、改善点の指摘も多くて、じゃあ写真を撮り直そうとか、逆に頑丈な商品という機能をうたった部分は評価が高かったとか、予想ではなく、事実を振り返って、次にやるべきことを洗い出していかなくてはなりません。

今回具体的に修正しようかという話になった例を挙げると、“プロ仕様頑丈ハンガーラック”の紹介誌面に『苦手な方には』というフレーズとともに組み立てサービスを紹介していました。
でもそのフレーズが入っていることで、かえって「面倒くさいんじゃないか...?」という印象に映ってしまっていたようです。
改善策として今後は『届いてすぐ使える楽々サービス』のようにポジティブな表現に変えようとしています。

また、ダブルサイズの写真を1点載せてシングルサイズも案内していたけど、そちらもやはり写真がないとイメージが付きづらいという意見も反映しようと考えています。

この例もそうですが、弊社では会員さまがたくさんいらっしゃって年代も幅広いので、どういった商品をどんな層にどう訴えていくかというのは1つの商品でも違ってくると思います。
そして要らない要素はためらわずにカットして、ニーズにフィットさせていきたいですね。

Summary

まとめSummary

導入前の課題

チラシや新聞広告のレスポンスはしていたが、
クリエイティブそのものの方向性が正しいかどうかを確かめる機会がなかった。

導入による解決

自分たちが良かれと思って掲載していた情報が
かえって逆効果を生んでいるところが多々あり、
そこを改善していくことで、より消費者に喜んでもらえる
誌面・コンテンツ作りへとつながった。

今後の展望

大規模に展開する予定の広告に関しては、
世に出す前にGood/Badテストを行い、
クリエイティブの方向性の参考にしていく予定。

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